コペルニクス的転回

ソーシャルゲーム等のサブカルチャーを心理学的アプローチで考察しているブログです。その他コラム等も。

【考察】御影密の記憶障害と未来の行く末。

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※この記事はACT2以前に書いたものです。オーガストの薬だなんて…そんなチート技については考えていませんでしたスミマセン…!せっかく書いたので消さずに置いておきます…

以前「真夜中の住人」の記事にてお話した密の記憶障害についての記事をやっと書こうと思います。遅い!賞味期限切れ!か?

 

人の記憶の仕組みを知ろう!

案外きちんと知られていない(?)記憶の仕組み。なんとなく単語単語としては聞いたことがあるかもしれませんが、これを理解することで密の記憶障害についても、より理解を深めることができるでしょう。

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短期記憶から長期記憶へ

短期記憶に代表されるのはワーキングメモリーです。きっと皆さん一度は聞いたことがある言葉かと思います。目で見たものを覚えたり、聞いた言葉を覚えたりします。しかしこれは記憶の保管場所の容量が少ないため数秒~数分程度しか保持されません。MBTIで言うところの「知覚機能」のキッカケのような存在でしょう。例えば会話をしている相手の言葉や表情を覚えたりする時に使用します。

興味の沸かない短期記憶は残念ながらここでさようならです。さっき聞いたはずのアリスの詩をすぐ忘れてしまうのは興味がなく理解しようともしていないので、その記憶とはお別れしてしまったということです(笑)そして晴れて興味を持って頭の中で反復された記憶はめでたく長期記憶に移行します。主に私たちが「記憶」と呼んでいるのはこの長期記憶の内の陳述記憶ことです。

長期記憶には4種類がある

上記の表を見ていただくとわかりやすいかと思いますが、長期記憶には「非陳述記憶」(言葉で表せない記憶)と「陳述記憶」(言葉にできる記憶)があります。

非陳述記憶

言葉で表せない記憶=非陳述記憶の一つ目は手続き的記憶です。これは主に体の感覚で覚えるような記憶です。

  • 自転車の乗り方
  • 殺陣の動き
  • 気配の消し方

などがこれにあたるでしょう。「自転車ってどうやって乗れるの?」って聞かれても言葉で説明したところで実際に乗れるようにはなりませんよね。体で覚えるしかないです。

またプライミングという記憶もあります。これはイメージ的な記憶で「勘違い」の元となるものです。以下の文字列をご覧ください。

つきおかつむぎ たかとおたすく みかげひそか ありすわがほまれ ゆきしろあずま

 そう、冬組劇団員の名前です。誰がどう見たってそうじゃんと思いますよね。本当に?そうですか?本当にそれでいいんですか?よーーーく見てください。

ありすわがほまれ

あっ…!間違ってる!!この勘違いを引き起こすのがプライミングです。なんかあまり良くない記憶にも見えますが、概略的な理解に必要な記憶ですので後に説明する陳述記憶の形成にも影響してきます。

陳述記憶

さてここからが本番。一般的に“記憶”と呼ばれるところの領域です。言葉で表すことができる記憶。まず一つ目が意味記憶です。

  • 言語の意味
  • 国の首都の名前
  • 五角形の内角の和

 などがこれにあたります。一見バラバラに見えるこの意味記憶ですが「知識として学習した記憶」という共通点があります。本やインターネットで見たものや学校で勉強したものなど。きちんとそのものの意味や理屈、仕組みなどを頭で記憶したもので、感情は伴いません。この「記憶の仕組み」も意味記憶になります。学生向けのテスト作成のバイトをする上で使うのもこの意味記憶です。これは記憶障害で消えるものではありません。

 

 そして最後がエピソード記憶です。

  • 劇団に入った日のこと
  • 合宿に行って卓球大会をした時のこと
  • みんなと一緒にアイドルのステージに立った時のこと

このような自分が直接体験した出来事です。意味記憶と違い、エピソード記憶は感情やなどの主観を伴います。合宿では秋組メンバーとチームを組んで卓球をしましたが、その体験はその時自分がどう感じたかという感情に基づいて記憶されます。何でもない日のことは忘れてしまうのに、パーティやイベントなどの楽しかった特別な日をよく覚えてるのはその体験に対して強い感情を感じているからです。このブログを読んで強く感じたことがあればそれはエピソード記憶になります。

一般的な記憶障害は「エピソード記憶」のみが消える

解離性健忘

過去の出来事や自分の感情を思い出せなくなってしまう精神疾患を解離性健忘と言います。密は生まれてから寮で目覚めるまでの(海に流れ着いた時?)記憶が全て消えています。大人の事情からか名前は覚えていましたが(笑)年齢すらもわからないと言っています。このようにある地点から前の自分に関する記憶が全て消えてしまうことを「全般性健忘(全生活史健忘)」といいます。

こちらのサイトには全般性健忘以外にも様々な解離性健忘について記載してあります。密のように生まれてから全ての記憶を失うことは現実世界では稀な例なようですが実際に日本でも発症例があるようです。

なぜ記憶を失う必要があるの?

全般性健忘は主に強いストレス状態が長期に渡り持続することによって引き起こされます。それまではストレスを抱えながらも健常な日常生活を送れているのですが、意識障害(昏睡状態など)や解離性遁走(無意識的な放浪など)の後、記憶が思い出せなくなってしまうようです。密がそれまでどのような環境下で過ごしてきたのか、現時点では少ない手がかりを元に想像するしかありませんが、密の単独スチルからも精神の健康を維持できる環境ではなかったことはそれとなく理解できます。強いストレス状態が続き、それが解消する未来を見ることもできず、健忘に至ったのでしょうか。密はISFP型ですので、本質的に感受性が豊かでありストレスを感じやすい点、未来の目標を定めるのが苦手な点なども相俟っているのかもしれません。

解離性健忘の治療

解離性健忘の治療は「記憶を取り戻すこと」ではありません。記憶を取り戻さない・治療を放棄するという選択肢もありますが、おそらく物語上では今後記憶の掘り起こしはしていくことになるかと思います。あれだけ伏線を敷いていますからね。また何らかのキッカケによって記憶が少しずつ蘇ることがあるかもしれません。なので治療をしていく方向で話を進めたいと思います。

記憶を取り戻すということは、即ちもともとあったストレスの原因に密自身が向き合わなければならないということです。もともと向き合えなかったから記憶を失っていたのであり、すぐにきちんと向き合えるわけはありません。また再発させないために、トラウマとの向き合い方やストレスのコントロール法を学んでいく必要があります。周囲の献身的な支えも必要でしょう。密以外の4人や監督も、そのための強い精神や信頼を築く必要性があるかもしれません。解離性健忘の完治とはそれら全てを克服し、精神的な安定や健康を取り戻した状態になることと言えるでしょう。

【私見】御影密にとっての“マシュマロ。”

 彼は解離性遁走の後に偶然食べたマシュマロを大好きになりました。マシュマロって甘くてふわふわした食感で夢心地で美味しいですが、ただ「初めて食べた」というだけでもっと美味しいものってたくさんあったのでは?ってちょっと思いません?臣の料理のレパートリーもたくさんあるのに、何かマシュマロばっか食べてるし。スフレオムレツは気に入ってたけど。

そこで解離性健忘について学んだ中で気付いたことがありました。基本的に全般性健忘の患者さんってエピソード記憶が消えているので、自分が体験した出来事だけでなく「それによってどう感じたか」「どう思ったか」等の“自我”に関する部分が消えているんです。他人に自己紹介してくださいと言われたら「私はさえこといいます。茨城県出身、好きな色はピンク、将来の夢は哲学者になることです!」みたいな、自分はどこから来て何が好きでどういった感性を持った人間なのかとかを説明すると思うのですが、密にはそれがなかったんですよね。ポートレイトやれって言われても、自我がないからできない。そこで無意識的かつ咄嗟に与えた自我が「マシュマロが好き」だったのかなぁと、そんな仮説を思いつきました。あんなに飽きもせず食べてるしマシュマロを美味しいと思うのは事実だと思いますが、密自身が記憶を失ってから初めて感じた強い感情がマシュマロを食べて感じた幸せな気持ちだったのでしょう。だからあんなに執着しているのかなぁとも思いました。ぼーっとしているようで意外と色んなことに興味津々で、膝枕大会してみたり焼き芋してみたり今回もアイドル体験してみたり。密にとって今体験できることに伴ったひとつひとつの感情ってその全てが新鮮でワクワクするものなんじゃないかなと思います。まぁ内向的感情(Fi)なので外にはなかなか出てこないですけどね(笑)そう思うと、もう少しこのままフレッシュな感情を味わえる夢のような時間を密に与えて欲しいなぁとも思いました。その中で冬組は密を支える体制を自然と作り上げています。配慮って建前で自分自身を守っていた大人たちが、それを崩しだした「真夜中の住人」。これも来るべき時のための第一歩なのかもしれない、と思いました。それについては今後「ふたりの関係」の記事でも少しずつ触れていくとしましょう。御影密の素晴らしい未来を当ブログはこれからも応援していきます!