コペルニクス的転回

ソーシャルゲーム等のサブカルチャーを心理学的アプローチで考察しているブログです。その他コラム等も。

【戦略タイプ論①】「私」という存在の売り出し方【-A / -T】

f:id:coco_factory:20190402023517j:plain

※2019/4/18 記事修正いたしました!

こんばんは。ツイッターではお知らせいたしましたが、Google Labsというシステムのテストユーザーになった影響で広告表示がおかしなことになっているかもしれません。ご不便をおかけしまして申し訳ございません。現在対応要請中ですので何卒ご理解のほどよろしくお願いいたしします。

 

1つ前の記事を少し修正させていただきました。日本版の表現に合わせて「アイデンティティタイプ」と記載していましたが、原典の表現に合わせ「戦略タイプ」とさせていただきます。(16personalitiesの本拠地はロンドンみたいですね)
今までこちらの理論に関しては日本版のものしか拝見しておらず版のものを最近はじめて読んでみたのですが、今までなぜ私はこれを読んでいなかったんだろう…とものすごく反省しました。無知とは私を苦しめるものです。しかし自分自身で違和感に気付き、自分自身で探求し結論に導く…そして自分自身の過去の失敗には自分で責任を負う――このプロセスは私にとってたいへん心地の良いものだと感じました。

 

というわけで今回の記事では「戦略タイプ」についてさらに深く掘り下げていきたいと思います!前回の記事は私は戦略タイプ論を理解するきっかけのプロローグ記事のようなものですが、こちらも読んでいただければさらに理解が深まるかもしれません。

 

「戦略タイプ論」の謎に迫る!

さて冒頭でお話した通り、この戦略タイプ論は日本版の16Parsonalitiesでは「アイデンティティタイプ」と訳されています。確かに戦略タイプ論は「アイデンティティ」の問題なのですが、アイデンティティという概念そのものが、世間一般的に少々理解するのに難しく感じる表現かもしれないなと私は感じました。そしてこれは「自己主張型・慎重型」という表現にも適用されます。ニュアンスとしては確かに間違ってはないのですが、アイデンティティがなぜ・どのような理由で?自己主張型と慎重型に分けられてしまうのかという「Why?」の部分がすっぽり抜けていますよね…。
日本版も早急に理論の中身の記事をアップしていただきたいところではありますが、、、現在の日本版16Parsonalitiesの翻訳があまり上手ではないのは皆さんもわかるかと思いますので、期待もできません…(笑)ということで私が一肌脱ぎましょう!という魂胆です。

やさしい「戦略タイプ論」にゅうもん

参考出典:16Personalities

戦略タイプとは16のパーソナリティタイプ論(MBTIなど)で示された「性格タイプ(性格のクセ)」をどのように捉え、どのように運用するかという自分の経営方針を示したものです。資産運用に例えるとたいへんわかりやすいですが「資産(金銭・土地・家屋など)」にあたるものが性格タイプであり、その資産をどのように働かせるかという「運用方法(貯蓄・投資など)」の部分が戦略タイプということです。これをもっと実際的に言うと「人生の中でどのような目標を設定し、その目標を達成するために自分はどのようなやり方をしているか?」ということが戦略タイプで示されているということです。なお、この戦略タイプも性格タイプと同様に本人が容易に自覚できるものではなく、潜在的なものです。実際に自分が逆のタイプの戦略を試してみて失敗をしたり、違う戦略タイプを取る他者と関わりあうことで、ようやくわかるようになることがほとんどです。

 

これはすべての性格タイプに掛け算のように適用します。

(性格タイプ)×(戦略タイプ)=パーソナリティー

このような方程式になります。戦略タイプは掛け算で言うところの「かける数」なので、必ず「かけられる数」である「性格タイプ」を前提に話が進められます。算数の文章問題で「たかし君はみかんを1日に2つずつもらまいました。5日後にはたかしくんのみかんはいくつになっているでしょう?」という問題が出たとすると、このみかんにあたるのが性格タイプで、1日にもらえる数が戦略タイプということです。ですから同じ戦略タイプだからと言って同じ性格になる、とかではないのですよー。

 

当初「至と真澄って同じタイプだったの?!びっくり!」「千景さん、丞と同じタイプだったんだ~!」などというご意見をいただきましたが、同性格タイプなのに違った印象として映っているのは戦略タイプ(自分の売り出し方)が異なるからです。同じ資産でも投資やギャンブルなどでリスクを取って増やすような生き方もあれば、貯蓄をするようなローリスクローリターンな生き方もあります。(※戦略タイプを資産運用に例えた表現です。戦略タイプの特徴が実際のお金の使い方に結び付くわけではありません)

 

では、さっそく戦略タイプについて見ていきましょう。大きく分けると2タイプあり、その下に外向型・内向型で分けた2タイプの計4タイプがございます。

Assertive(アサーティブ):独断型

まずISTP-Aなどの『-A』で表されているアサーティブタイプです。日本語訳としては独断型が最適な表現かと思われます。ストレスに強いです。

独断型の経営戦略は「自分で舵を取ること」です!肝の据わった情緒安定型タイプです。独断型が目標を達成しようとするとき、目標達成の邪魔にならないような小さくて小さい・些細な悩みに捉われることがありません。自己の価値に自信を持っており、社会に求められることでなく「自分の価値観で決めた目標」を達成しようとします。*1とても自己が鍛えられており、ストレスに強く雑草魂があります。行動や言動には一貫性があることが特徴です。とても信頼できる、かっこいい人たちです。

 

独断型の戦略タイプの心理機能への作用は、タイプの主機能の力を強化させます。Neはより論理性を持ち、Fiはより内なる感情を保護します。

 

独断型の大きな特徴は「人々こう言うけど、あくまでも私はこう思う」という独立的スタンスであることです。乱流型のように形勢を見て有利な側方に追従する傾向にあるタイプを見ると、発言の一貫性のなさに歯痒さを感じることもあります。しかしそれは独断型タイプにとって自分の意志が確固たるものであることの証明でもありますので、けっして悪いばかりの感情ではありません。

さらに独断型内でも外向/内向で2つのタイプがございます。

操縦者タイプ-People Mastery-(外向型 × 独断型)

A3キャラクター例:立花いづみ、シトロン、雪白東など

独断型(Assertive)の戦略を持った外向型(E)タイプは根性のある果敢なチャレンジャーです!風林火山の火のような存在。「侵掠(しんりゃく)すること火のごとし」一本筋の通った意志に乗っかり、人生の目的を自分の責任で達成していきます。同じ外向型の成功者タイプ(外向型×乱流型)は社会的承認を必要としますが、操縦者タイプは自分の意志が折れないように支えてくれる人さえ居てくれれば社会的承認は必要ありません。型破りな人生を歩む人も少なくありません。

操縦者タイプは主体性を持った行動を行うことに快適さを感じています。探求心を満たすために社会的接触を求め、そこで堅実なコミュニケーションスキルを身に着けます。これは「人に好かれる能力」ではなく「適確に意思を伝え、適確に相手の発言を受け取る能力」のことです。また、言動や行動に一貫性があるため、しっかり者の印象を与えます。

彼らは自分で決めた目標達成のためだけにおいてストイックになることができます。明確な意思と責任感があるため、人を先導・管理したり、まとめ役になるなど「人を動かす*2」ことにおいて優れた力を発揮することができます。成功者タイプ(外向型×乱流型)のように、リーダーの職務を全うすることが目的にはなっておらず、あくまでも「自分の目的を達成する」を掲げているので人にストレスを与えることなく動かすことが上手いです。というか、自然と賛同者に支えられたり、人がついてくるようになることが多いでしょう。操縦者タイプはこの恩を忘れてはいけません。

この操縦者タイプは根拠のない自信を振りかざすプライドの高い「強がりさん」ではありません。飽くなき探究心からたくさんの厳しい世界を見てきており、その知識と経験に裏付けされた「自尊感情」に由来しています。彼らは厳しい世界もたくさん知っていますし、挫折にも負けず這い上がってきた人だから強さがあるのです。

日本では同じ外向型でも成功者タイプと比べると比較的人口が少なめの傾向にあるようです。

熟達者タイプ-Confident Individualism-(内向型 × 独断型)

 A3!キャラクター例:佐久間咲也、斑鳩三角、高遠丞など

独断型(Assertive)の戦略を持った内向型(I)タイプは腰の据わったエキスパートです!風林火山の「山」のような存在。「動かざること山のごとし」な強固な意志を持っている「ブレない」人です。熟達者とは特定の分野への知識や技術に長けたエキスパートのことを言います。このタイプは誰かに言われたからでなく、自らの意志で一つの物事を極めていくので、世間一般よりも深い知見を持っています。

操縦者タイプと同様にストレスに強く雑草魂があります。ちょっとやそっとでは折れません。無理に他者の意見に擦り合わせることもないため、自分の興味関心について深く探求することも得意ですし、一つの仕事を根気強く続けることも得意です。

交友関係があまり広くないタイプが多く、コミュニケーションの幅は比較的限定されます。自分が心から本当に評価し認めた仲間にのみ心を開きコミュニケーションをすることを好みます。彼らは社会に馴染めないのけものというわけではなく、自分の関心ごとの追求のために孤独を受け入れる強さを持っているのです。しかし彼らが信頼した仲間に関しては、正直で強固な友情を持っており非常に仲間思いです。

熟達者タイプは独自の感性を持ちそれに自信を持っているユニークな人々ですが、それを世間に公表したり誰かに認められたりすることには興味を持っていません。他者から賞賛される必要性を感じることがないのは、自分自身の知識や感性に自信を持っているからです。同じ内向型である専門家タイプ(内向型×乱流型)は、熟達者とは違い専門家という「職業」です。専門家を名乗るには「それで生計を立てている」ことが必要です。(社会から金銭と言う名の承認をもらっているのです)一方で熟達者タイプはそれを職業とする(社会的承認をもらう)必要性を感じません。

自ら社交場に赴くことは少ないため、仕事や学校以外の場でお目にかかることは少ないかもしれません。日本では同じ内向型でも熟達者タイプは専門家タイプほど人口が多くはありません。

Turblent(タービュラント):乱流型

次にISTP-Tなどの『-T』で表されているタービュラントタイプです。日本語訳としては乱流型が最適な表現かと思われます。ストレスにちょっと弱いです。日本人の大半を占める大衆的なタイプです。

乱流型の経営戦略は「社会に承認されること」です!独断型の経営戦略が独立的だったのに対し、乱流型は社会からの目を気にするぶん平和的でニュートラルな印象があります。独断型に比べて繊細でありストレス耐性が高くはありません。しかしその分たくさんの感情を経験しており、それが社会への友好的な態度に繋がっています。

そして乱流型は完璧主義の傾向があり、自身の問題の改善のために努力をすることができます。独断型のようなユニークさがないぶん、社会的な成功や自身の改善を目指し地道に努力を重ねるため、人に評価されやすく好かれやすいです。人に評価されたり、社会に認めれる存在であることに満足する性質を持つため、幅広い努力をし力をつけ社会に貢献することができます。

乱流型の戦略タイプの心理機能への作用は、タイプの主機能の力を緩和させます。Neなのに直感的にふるまったり、Fiなのに内なる感情を外へと出したりします。しかしこれはあくまでも社会の中で生きていくためにしている振る舞いであり、彼らの本質ではありません。本質を緩和するのが彼らのキャラクターなのです。

社会という枠に合わせて努力をするタイプなので、大枠にハマりたがらないうえ自分の信念ばかりを貫き通そうとする独断タイプを見ると「子供っぽくわがままだ」と感じることがあります。また、独断型の強さは乱流型にとって魅力的に映る一方で「うらやましさ」と嫉妬を感じて歯がゆい気持ちになることがあるかもしれません。しかしその感情は間違いなく乱流型を成長させる要因ですので、けっして悪いことばかりの感情ではありません。(もちろん、ご自身で理解しコントロールすることは大切です)

成功者タイプ-Social Engagement-(外向型 × 乱流型)

A3!キャラクター例:兵頭九門、古市左京、有栖川誉

乱流型(Turbulent)の戦略を持った外向型(E)タイプは、とても仕事熱心な努力家です!風林火山の「風」のような存在。「疾きこと風のごとし」な俊敏な行動力を武器に社会のあらゆる出来事に対応していきます。この戦略タイプを成功者タイプとしたのは、操縦者と違って「社会的地位や名声などを得ること」が彼らにとって大切だからです。

外向型の気質と乱流型の戦略は相反します。大胆さやチャレンジ精神をもたらす外向型なのに、乱流型の戦略が外の世界に緊張や恐怖を感じさせるのです…!ですから成功者タイプは強烈なプラスの感情とマイナスの感情を行き来することになります。

乱流型の特徴であるストレス耐性の低さは成功者タイプに危機管理能力を与えます。繊細な精神を災難や不測の事態から守る機能が備わっているため、これらに衝動的に対処することができます。*3成功者タイプはこの危機管理能力の効果発動で、本来のタイプの本質とは違った対応を無意識的にしているため、操縦者のような首尾一貫とした印象を周囲に与えません。『幽☆遊☆白書』の飛影の名台詞に「残像だ」というものがありますが(相手が切りつけたのはすばやく動いた飛影の残像だった)、成功者タイプはこのように本質ではない衝動的対応をすることで社会と上手く戦っているのです。

無意識的でありながらも社会に対する臆病さを持っている成功者タイプは、他者に対して優越感を得ることで精神の安全を守ります。これが何をもたらすかと言うと、成功のために自分自身を酷使することができ、どこまでも成長していくことができるのです。操縦者タイプは目標を達成することにしか駆り立てられないので自分自身を高め限界突破することに注力できない一方で、成功者タイプはどこまでも自分自身を高める素晴らしい力を持っています。

そんな彼らの能力は社会から高評価を受け称賛されます。真面目によく働き、人々に愛と享楽を与える存在です。個人的な所感では、若い外向型には特に多いように感じます。

▼こちらの記事も参考になるかもしれません。(ESFP-T:七尾太一)

専門家タイプ-Constant Improvement-(内向型 × 乱流型)

A3!キャラクター例:茅ヶ崎至、向坂椋、泉田莇など

 乱流型(Turbulent)の戦略を持った内向型(I)タイプは、とても慎ましやかで優しい人たちです!風林火山の「林」のような存在。「徐(しず)かなること林のごとし」な用意周到さを武器に、有事に備え自己改善をしていきます。

 内向型と乱流型の気質は内向型をどこまでも内向的にさせるかと思いきや、必ずしもそうではありません。外部との関わりを控えることもありますが、外の世界との友好を保つために友好的かつ社交的に振る舞うことさえ多々あります。成功者タイプが社会的ストレスから自分を守るためにオフェンスの姿勢を取るのに対し、専門家タイプはディフェンスの姿勢を取っています。*4

専門家タイプは同じ内向型の熟達者タイプと同様に趣味や仕事の専門性を極めるために努力をします。しかし熟達者タイプと違うのは、その知識や技術を社会に評価してもらうことを欲していることです。これは社会からの目を専門家タイプの本質から反らすためです。知識や技術の習得は専門家タイプのマインドに安全をもたらす効果があると同時に、専門家タイプが数多くしてきた感情的経験はこれらを印象深く彩ります。

この性質も相まって、専門家タイプは非常に社会のために献身的です。孤独な性質でありながらも孤独を受け入れることもできず、社会のために絶え間ぬ努力と自己改善をすることで良い評価を受け、それに満たされることができます。評価がもらえないとポジティブな感情を保つことが難しいと感じるかもしれませんが、自分自身を丁寧に扱い評価してくれる友人や家族などと関わりあうことで、平和で温かい人生を送ることができます。専門家タイプは独断タイプに比べ、他者と友好的な関係を築く能力もあります。

日本ではいちばん人口の多い戦略タイプです。友好的で平和主義な専門家タイプが、日本の天下泰平に貢献しているのは言うまでもありません!

戦略タイプまとめ -Author's Column-

戦略タイプとは社会に対する自分の売り出し方のこと、大きくわけて2つの戦略タイプ(独断型・乱流型)はストレス耐性の強さによって振り分けられるということをご理解いただけたかと思います。このストレス耐性というのは、遺伝子レベルの問題ではなく環境的要因によって左右されるのですが、人の性格は気質と育ってきた環境で培われるとはよく言ったものですね。(もちろんこれはあくまでも類型論ですので細かく言ってしまえばキリがないほど人の性格を作るエレメンツは数多くございます)

傾向で言えば幼少期のストレスが多いほど独断型に寄るのですが、人間は脆いのでただストレスが多いだけでもダメなのですよね。平和な日本では独断型が少なくなるのは致し方ないことかもしれませんが、適度なストレスを与えることも人のユニークさに繋がるということでしょう。こちらのテーマに関しましても、いつかお話したいと思います。

筆者は独断型の外向型である「操縦者タイプ」のENTPです。確かに私は自分自身の弱みも知ってはいながらも、それすら武器にして困難な目標に向けてチャレンジする人生を歩んでいるように思います。 しかしそれに気付けたのは、紛れもなく乱流型の戦略タイプの人生を生きてみようとして失敗をしたことがきっかけです。人生トライアンドエラーですね!私は私のポリシーを信頼していて自信もあるのですが、だからこそ「皆が私のように強くなるべきなのではないか」と思っていた節がありました。。。ですがこの理論を紐解いていくうちに「皆が皆、強いわけではない」と理解し、天地がひっくり返るような思いすらあったのです。私はたいへん無知で浅はかでした。しかし独断型の私は、自分の浅はかさも肥やしにしてまた明日から果敢に立ち向かっていくことができるのです。そして無知だった頃よりも社会に対する知識が深まったことに、清々しささえ感じています。

大切なのはこのように「他者と自分の違いと、その理由を知ること」です。一部の乱流タイプは独断タイプのように強くなりたいと望むかもしれませんが、独断タイプは唯一であるがために孤独を受け入れることが必要であったりと、決してその道が平坦なわけではありません。自身の特徴を客観的に知ることで、欲求や意識をコントロールし自分の行動に責任を持つことができます。(自覚をもった行動)皆さんもこの戦略タイプ論から何か気づきを得るきっかけになったらいいなと思います。

戦略タイプの話はまだ続く予定です。次回はA3!のストーリーに絡めたお話などもお届けできたらと思います!

 

*1:※そのための手法は性格タイプによって異なります。

*2:※手法は各タイプによって異なります

*3:※反応はその人の環境や性格タイプによって異なります。

*4:※環境や性格タイプによってディフェンスの仕方は変わります。